ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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『レインツリーの国』 有川浩

レインツリーの国

有川 浩 / 新潮社

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伸行がひとみを知ったのは、彼女が運営しているブログ「レインツリーの国」に、伸行が十年来、心に引っかかっていた本の感想が書かれていた事だった。
その本を伸行が読んだのは中学生の時。
「フェアリーゲーム」というそのライトノベルのあまりにも現実的な結末に、当時の伸行には受け入れられず、今でもちょっとしたトラウマになっている。
違った視点で結末を綴るひとみに興味を持った伸行は、メールでひとみと意見を交換するようになり、親しくなった二人は実際に会うことになる。
伸行の前に現れたひとみは普通の女性だったが、どこかちぐはぐな感じでメールで話していた時のようには、うまく会話が続かない。
挙句の果てには、ひとみが伸行の常識では考えられない行動をとり、思わず怒鳴りつけてしまう伸行。
何も言い返さずに涙ぐむひとみ、だが、その時になって伸行は気づいた。
彼女の耳に掛けられた補聴器を・・・。


何となく、自分がなぜこの作者の本が好きなのかわかりました。
本を読み終わった後も、心地よい余韻が残るのです。
物語が終わった後も登場人物たちが変わらずに幸せに生活しているだろうとわかるんです。

空から妙なものが落ちてきても、海の中から変な生き物が襲ってきても、人間が急に塩の塊になっても、本のために命をかけて闘っても、そんな非日常的な出来事で繋がった人間関係は物語が終わっても壊れる事はなく続いていくのが想像できるのです。
「あの人たちは今頃どうしてるのかな」なんて事も、読み終わったしばらく後に思わせる終わり方が秀逸です。
まぁ、今回の本はそんな非日常的な事は一切出てきませんが。
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by hiro-iti | 2009-05-17 23:07 |