ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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K・Nの悲劇

著者:高野和明

若くして成功した夫との新しい生活。
だが予期せぬ妊娠に中絶という答を出した時から、夏樹果波の心に異変が起こり始める。
自分の中に棲みついた別の女、それは精神の病なのか、それとも死霊の憑依なのか。
治療を開始した夫と精神科医の前には想像を絶する事態が待ち受けていた。


心は乙女(?)でも妊娠は到底出来ない(当たり前)自分には、女性が妊娠したことによって得る喜びや、不妊によってもたらされる苦しみ、中絶による果てしない罪悪感、流産によるとてつもない喪失感などは想像するしかありません。
男は結局、数秒間の快感を得るためだけにセックスをするのであって、その結果についてはあまり深くは考えていませんから。
まぁ、自分がイタす相手はどう転んでも妊娠する恐れはまったくないのですが。(ものすごく御無沙汰なんですけど・・・)

この本を読み始めたところ、いきなりすさまじい濡れ場が出てきて思わず赤面してしまったんですが、内容はいたってシリアス。
男とはまるで違う女性の妊娠に対する姿勢が怖くもあり、心強くもあり、ちょっとうらやましくもあり、美しい。
基本はサイコホラーの作品なのでゾクっとさせる箇所がいくつかあるのですが、最後にはとてつもない感動が涙を誘います。

この作者はもともとは映画関係の仕事をしていたという事です。
だからなのか、読んでいると映像が自然と浮かんでくる感覚が。
まるで一本の映画を観ているようでした。

ちなみに文庫版の表紙であるムンクの「罪」という絵がものすごく不気味だった・・・。

K・Nの悲劇
高野 和明 / 講談社
ISBN : 4062753235
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by hiro-iti | 2006-03-06 22:35 |