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ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟

著者:上遠野浩平

生きている世界の何もかも許せない、底無しの怒りの塊。
その、世界に対する敵意が具現化した能力「ワン・ホット・ミニット」。
触れたものを焼き尽くすその能力をもった少女だが、ある一人の少年にだけは敵意とは違った感情を持っていた。
だが、あまりにも危険すぎる少女のその能力は、世界の秩序を司るシステム『統和機構』に危険分子『MPLS』と認定されてしまう。
機構から派遣された合成人間と少女の異能者同士の戦いが始まったとき、同じく少女を「世界の敵」とみなしたブギーポップが現れ・・・。


本当に説明に困る小説です。
だっていまだに『ブギーポップ』が結局何をしたいのかわからないし、『統和機構』も実の所、何をしている組織なのかさっぱり・・・。
それでも毎回新作が発売になる度、いそいそと本屋に出かけてしまうほど大好きなシリーズなのです。
一作目が発売になってからすでに8年ぐらいたっているのに、これほどまでに惹きつけられてしまうのはやはりスゴイ。
おそらくシリーズ通じての全ての謎を明かしたら「ふ~ん、そういうこと」と大した感銘を受けなさそうな予感があるのですが、その謎を小出しにし、時にはかえって分かりにくくしているストーリ展開と斜に構えた文体がツボにはまっているのでしょうか。

話がコレほどまでに広がりまくった今となっては、キチンとしたシリーズの完結編が書かれることはほぼありえない模様ですが、なんらかの結末をいつかは読みたいものです。
でもこの人の話って、ブギーシリーズ以外も話がどこかしら繋がっているのでますます無理そうだ・・・。

オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス
上遠野 浩平 / メディアワークス
ISBN : 4840233845
by hiro-iti | 2006-04-10 01:08 |