ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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千里眼 背徳のシンデレラ

著者:松岡圭祐

元航空自衛官にして女性初のF15パイロット、現在は臨床心理士となり、その動体視力と観察眼、心理学の知識を併せ持ち<千里眼>の異名をとるほどにすべてを見抜く、戦後最強のヒロインが最大級の謎に挑む。
耐震強度偽装をめぐる事件に仕掛けられた罠を看破したとき、美由紀は新たな陰謀の種を発見した。
そこにはかつて、日本を震撼させた天才女テロリスト友里佐知子の後継者、鬼芭阿諛子の壮絶な復讐が待っていた。


いつもながらに岬美由紀は超人的な活躍をする。
その様は女版「007」だ。
序盤に「日本沈没」というイキナリな展開に銃撃戦。
そういえば「007」シリーズも映画の最初は必ず派手なアクションシーンをもってくるよね。
おまけに今回はまるでボンドカーのような車まで登場してしまう。

「千里眼」シリーズもすでに12作目(文庫版)ともなれば、かなりマンネリ化しそうなもの。
展開にも無理がある感が否めない。
それでも毎回、読み始めると止める事ができない面白さがこのシリーズにはあるのです。

岬美由紀という人物は、銃撃戦になっても弾ひとつ当たらず(おまけに素手で立ち向かう)、銃火器の取扱いにたけ、必要とあらば戦闘機や戦車を操る(しかもジャンボ機までも操縦OK)ほどの高い戦闘能力をもちながらも、弱き者の立場に立って物事を考え、助けようとするやさしさを併せ持つ。
ちなみに音楽の才能もあったりしてバイオリンもプロ並みの腕前であったりもする。
普通の人間とはもはや思えないのだが、「自分の色恋沙汰には弱い」などの人間的な側面も垣間見せる事によって不思議と親近感がわいてくる絶妙な人物設定が開いた口が塞がらないほど(良い意味で)面白い。

「千里眼」シリーズのようなハリウッド的な娯楽小説はあんまり日本にはあまりないような気がする。
読んでいると、かなりのご都合主義が鼻につく事もあるけれど、この際この路線を突き進んで欲しいものです。
ただ、本の表紙に「釈由美子」の写真を使うのはやめて欲しかった。
なんでも彼女が「岬美由紀」のイメージ第一位に選ばれたそうで。
たしかに釈由美子が岬美由紀のイメージに確かにあっているかもしれないし、多くの人がそれに同意したのも分かる。
でも、表紙に彼女の写真を使う事はないんじゃない?
映画化になるわけでもないのに(そういう話が進んでいるかもしれないけど)、わざわざ小説の表紙にタレントを起用して「釈=岬美由紀」のイメージを押し付けるような事はして欲しくなかった。
やっと水野美紀が主演した、おそろしくつまらない映画「千里眼」のイメージから脱却してきた所なのに・・・。

千里眼背徳のシンデレラ (上)
松岡 圭祐 / 小学館
ISBN : 409408102X



千里眼背徳のシンデレラ (下)
松岡 圭祐 / 小学館
ISBN : 4094081038
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by hiro-iti | 2006-04-29 22:39 |