ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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ゴッド・ブレス・ミー エイズとの闘い

著者:福田慶一郎

2000年6月に受けたエイズ検査により陽性だと告げられ、それから抗HIV治療を受ける生活を続けている著者本人によるノンフィクション。
第5回新風舎文庫大賞ドキュメンタリー部門賞受賞作。


ノンフィクションは苦手です。
特に闘病記モノは。
読んでいると、とっても辛くなるので。
いや、本当に辛いのは本を書いている人であって、それをただ読んでいるだけの自分は辛いことなど何もない筈なのですが。
フィクションなら良いのです。
どんなに辛い事や悲しい事があってもそれは「作り物」だと思えるので。
ノンフィクションは、どんなに現実離れした事や自分の生活には関係ない事であっても、それは「現実」であって、自分の身に同じ事が降りかかる確率もゼロではないという考えに囚われてしまう。
今まで考えたことのない(考えたくもない)現実の新たな一面を見せつけられるのは辛い。
なんて、結局は自分がただの臆病者だということなのですが。

ただ、そんな事も言っていられないのが「エイズ」という病気。
HIV感染者はどんどん増えていく一方だし、もっとも身近に感じてしまう病気なのだが、今まではそれほど詳しくはなかった。
自分は幸いHIVキャリアではないし、今までも気をつけていたからこれからも大丈夫だろう、という根拠のない言い訳をしてなるべく目を背けていたからだ。
致死率や罹患率でいったら癌の方がよっぽど高い病気に違いない筈なのに、エイズはそれよりも怖い。
なぜこんなにも自分は怖れているのか?
結局はエイズに対しての知識が少ないためなのだ。
得体の知れないものはやっぱり怖い。
その怖さに対抗するのは知ることが一番なのだ。

で、手に取ったのがこの本。
「自分がエイズじゃないか」と怯えていた頃から、エイズ検査を受け陽性である事を告げられ、治療のために訪れた病院でのエピソード、そして現在に至るまでの抗HIV療法の事が書かれている。
著者と同じ立場に立ったつもりで本を読んでみる。
正直にいうと、読み終わった3日間ぐらいは精神的に引きずった。
でも読んで良かった。
何も知らないで怖がっているよりは全然良いに違いない、と今は素直に思えるのだから。

ゴッド・ブレス・ミー―エイズとの闘い
福田 慶一郎 / 新風舎
ISBN : 4797489278
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by hiro-iti | 2006-05-07 22:06 |