ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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メロス・レヴェル

著者:黒武洋

国家主導で開催される、世にも恐ろしいサバイバル・ゲーム。
勝者には名誉と金、敗者には壮絶なペナルティ。棄権不可。
全国民が固唾を呑んで見守る中、政府に選出された十組のペアは、自らを賭して闘った―。


『メロス・レヴェル』という国家主導で行われるサバイバル・ゲーム。
人と人との信頼関係を試す『走れメロス』を元に作られたそのゲームは、かなり壮絶なものだ。
ゲームに参加したペアの内、一人はメロスとなり、与えられたゲームをこなす。
そのゲームの勝者となれば次のゲームに参加する資格を獲得し、最終的に優勝者となれば莫大な賞金と一生の保障を得ることができる。
だが、ペアのもう一人はセリヌンティウスとなり、ゲームに参加するメロスを見守る事しかできない。
しかも、メロスがゲームを敗退、もしくは棄権した場合のペナルティはメロス自身ではなく、セリヌンティウスの視覚や聴覚、味覚、手もしくは足の機能のどれかを一生奪われてしまい、決勝戦においては命までも奪われるという悲惨なもの。

なんかこういう感じのリアリティ・ショーってありそうですよね。
もちろん、こんなに酷いペナルティを課すことはないのだけれど。
人と人との信頼関係を試すゲームとはいえ、参加者の多くは賞金目当て。
一方、観客の方は参加者の信頼関係に感動するわけではなく、信頼関係が壊れた時に喝采をあげる。
下世話な自分は、そんな観客目線でこの本を読んでいたわけですが。

参加者達は親子や恋人同士、夫婦、友人、飼い主とペットといった人達なんですが、そのなかで(ちょっとネタバレです)、友情をかけて『メロス・レヴェル』に参加した男性二人組の行く末に自分は少し涙してしまいました。
なんとなく察しはつくでしょうけど、長い間友人として接していたけれども実は・・・・、ってやつです。これには身につまされました・・・。

なかなかに面白い本ではあったのですが、最初の方は結構、読みづらい所がありました。
それというのも、最初は参加者の親子の視点で物語が語られていたので「彼らが主役なのかな」と思っていたら、唐突にゲームの司会者の目線に変わり、参加者の行動を語り始めたり、はたまた、他の参加者の一人称になったりと、いったいどのキャラクターに感情移入してよいのかまったくわからない。
「なんでこんな書き方をするのかな」と思いつつ読み進めて行くと、『どの参加者が優勝するのか』というのを最後までわからないように、わざとそういう書き方をしていた事に気づくのですが、それに気づくまでの過程は正直、少しかったるかったです。

メロス・レヴェル
黒武 洋 / / 幻冬舎
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by hiro-iti | 2007-02-19 00:39 |