ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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『海の底』 有川浩

  • 海の底
  • 有川 浩 / メディアワークス

突如、横須賀を襲撃した巨大甲殻類の群れ。
その場に運悪く居合わせた子供達は、海上自衛官の夏木と冬原とともに横須賀港に停泊中の潜水艦「きりしお」へ逃げ込むが孤立してしまう。
パニックに陥る横須賀市内では機動隊が巨大甲殻類に応戦するものの、未知なる生物に対してなすすべがなく・・・。


よくある怪獣パニックものながらも主役は怪獣ではなく、理不尽な理由で孤立させられた子供達の方の成長物語といった所でしょうか。
とは言っても怪獣達もかなり陰惨な事をしでかしてくれるし(巨大なザリガニモドキがうじゃうじゃと集まって人間を喰らう)、対する機動隊もかなりドラマチックに奮闘してくれる。

今回の話は「自衛隊三部作」のうち海上自衛隊をテーマにしたものらしいのだが、主役級で活躍する自衛官、夏木と冬原は終始子供の保護者役。
ただ、子供達が聞き分けがないと容赦なく怒鳴りつける夏木と、クールにその場をおさめる(ただ、かなりパンチの効いた皮肉交じり)冬原のコンビは絶妙で面白い。

夏木たちとともに潜水艦に閉じ込められた子供達もそれぞれ複雑な事情を抱えていて、特にメインの望と翔の姉弟には泣かされた。(少しベタな感じはしましたが・・・。)
艦内でトラブルメーカー役となる圭介には終始イライラさせられっぱなしで(こういうキャラが一人はいないとお話が面白くならないんですが)、もし自分が作者だったら、こんなガキは、それはもう陰惨な形でザリガニモドキに襲わせてやる所だが、ソコは有川浩、これ以上はないというほどの爽やかなオチを彼にも用意していたのが素晴らしい。

夜、寝る前に読み始めたら、結局最後まで読まされるハメになってしまったこの本。(読み終わったの朝4時・・・。)
自分の"有川浩ブーム"はまだまだ続きそうです。

ちなみに、自衛官二人のその後の話は「クジラの彼」の方で読めます。
非常識な話(『海の底』)の後に日常の話(『クジラの彼』)を読むと、結構ほのぼのとした気分にひたれる事受け合いです。
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by hiro-iti | 2008-11-30 20:16 |