ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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カテゴリ:本( 119 )

フリーター、家を買う。

有川 浩 / 幻冬舎

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二流大学卒、せっかく入社できた会社も三ヶ月で退社し、現在は実家で居候暮らしの誠治。
金がなくなれば仕方なくバイトをし、嫌になったらすぐに辞めるの繰り返し、衣食住は実家暮らしで不自由がないという生活に慣れきってしまって再就職活動もついついなおざりに。
そんなある日、誠治の母、寿美子が重度の鬱病に罹る。
母の様子がおかしい事に気づいたのは、実家を出て、名古屋の病院に嫁いでいた姉・亜矢子だった。
いっしょに住んでいながら寿美子の様子に気がつかなかった不甲斐なさや、自分自身も寿美子のストレスのひとつだった事に気づき自己嫌悪に陥る誠治。
自殺未遂を図るほどに追い込まれていた母の姿を見て、一番の元凶である今の家から引っ越すために一発奮起する誠治だったが、母の治療と再就職の壁は思いのほか高かった・・・。


最近、本の話題になると有川浩の本の事ばっかり書いてるような感じ(とはいっても記事自体あんまりアップしてませんけど・・・・てへ)、なんですが、別に他に本を読んでいなかったわけではありません。
最近読んだ他の本については特に書きたい事もなかったし、それほどの感動もなかったからなんです。(あえて何の本を読んでいるのかは教えませんけど)
有川氏の本は本当に私にとってハズレというものがなくって、実際この本も読み終わったすぐ後に、もう一度読み返してしまったくらいに好きです。

今回のお話は、基本はダラけきっていた今時の若者らしい主人公・誠治の成長物語で、有川氏らしい恋愛話はちょっと控えめ。
始めの誠治のダメダメ具合から、後半の成長して家族や世間から認められてくるあたりにグッときます。
特に母親の寿美子が重度の鬱病に罹ってしまい、そうなる前に気がつけなかった自分を責める誠治に対してある人物が、「(母親や他の事も)諦めてないので(手遅れなんかじゃなく)間に合っている」と言う場面では、思わずもらい泣き。

そして有川氏の話の中に必ずといって登場する、非の打ち所のない正論を吐く人物。
今回は誠治の姉・亜矢子がその役割なのだが、これまた小気味良い。

もうすでに、現在出版されている全ての有川浩の本は読んでしまった。
新刊が出るのが待ち遠しくてたまらない。
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by hiro-iti | 2009-09-27 23:44 |

ひとがた流し (新潮文庫)

北村 薫 / 新潮社

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十代の頃からの友人、千波、牧子、美々。
それぞれ人生があり、離れていた時期もあったが、いつもお互いが心の中にいるようなかけがえのない関係を保っている。
ある日、女子アナとしてはベテランの千波に願っていた仕事が舞い込み共に喜ぶ三人だったが、その時千波の身体にはある異変があらわれていた。


辛い事も楽しい事もいっしょに経験し、長い間会えなくても次にあった時には以前と同じ関係にすぐに戻れる。
勿論、自分の弱さも見せられるけれども、それでも受けいれてもらえる。
弱さと言っても、家族や愛する人に見せるものとは違うのだけれども、お互いをほどよい距離で見守る事のできるそんな友人。
そういう人が、周りに何人いるかで人の価値って決まるものなんでしょうね。

千波が牧子や美々について、「長い間会わない事もあったけれど、そんな時でもこの世のどこかにあなた達がいてくれるという事が自分の支えになっていた」といったような事を言うシーンが一番印象に残ってるし、「真理だなぁ」と思ったりしました。
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by hiro-iti | 2009-08-15 12:28 |

『植物図鑑』 有川浩

植物図鑑

有川 浩 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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さやかの家の前で行き倒れていた男・イツキ。
イツキが警戒心を感じさせなかったせいか、それともさやかの魔が差したのか、さやかは一晩、その見知らぬ男を家にあげる事にした。
次の日の朝、お礼にとイツキが作った朝食の美味しさに胃袋を鷲づかみにされたさやかは、イツキに「行く場所がなかったら家事をするという条件でいっしょに暮らす事を提案する。
道端で取ってきた雑草を意図も簡単に美味しい料理にしてしまうほど、妙に植物に詳しいイツキに胃袋のみならず、人柄にどんどん惹かれていくさやかだったが、イツキは何故だか自分の過去は語りたがらず・・・・。


最強家事男子誕生です。
道端の食べられる植物をとってきて、それをなんとも美味しそうな料理にしてしまうという、「エコ&家計にやさしい」能力を備えているとは。
しかも「けっこういい男」という描写も。
素晴らしい、お付き合いしたい、でもそんな男はそうそういないだろう、っていうかいない。
まさに理想の男子です、イツキは。

有川浩の今までの作品だと、いわゆる「体育会系」の男が多かったけれど(だって自衛隊ものとか多かったし)、今回のイツキみたいな「文化系」の男もなかなかに素晴らしいと感じさせてくれる。
でも、なかなかにそうそうイツキみたいな男は道端に落ちてはいないと思うけど、いや、絶対に落ちていない。

もはや定番なのか、今回も他の作品同様、「最後に二人は幸せになりました」で終わらずにその後の二人の状況もサラリと付け加えられているのが素晴らしい。
蛇足にはならず、「あぁ、その後もちゃんと幸せに続いているんだな」と思わせてくれるので。
今回の作品も含め、読後に心地よい余韻を残してくれるので、本当に有川浩の本は大好きです。
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by hiro-iti | 2009-08-09 01:41 |

(映画文庫)幼獣マメシバ 上 (竹書房文庫)

原案・脚本:永森裕二 著者:柳 雪花 / 竹書房

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35歳の芝二郎は筋金入りのニート。親の庇護の下でぬくぬくと生活をしていたが、ある日、父親が急死。
父が亡くなったといっても、これまでの生活が変わることはないだろうと思っていた二郎だったが、葬式の数日後、母親の鞠子が謎の失踪。代わりに残されたのは豆柴犬「一郎」だった。
面倒を見てくれていた母がいなくなり、さらに犬など飼った事のない二郎が途方にくれていると、一郎の首輪に母の失踪先のヒントらしきメモを発見する。
どうやら、突然の失踪は二郎を家の外に出そうとする母の策略だった。
周囲の人の助けを借りながら、ヒントを頼りに一郎といっしょに母を捜し歩く二郎であったが・・・。


ドラマもやっていた(そうらしい)し、映画にもなりました(そうらしい)。そのノベライズ本です。
どっちも未見の私がこの本を手にとったのは完全にジャケ買い(本の場合もジャケ買いっていうのかな?)です。
あー、柴犬の可愛さは強烈ですね。
猫派の私も、思わず犬派に鞍替えをしそうな可愛さです。まぁ、どっちも飼ったことはないのですが。

本の内容はというと「ご都合主義」全開で話が進んで行くのが、ちょっと気になる点ではあるものの中々に面白かったです。
あんなに優しい両親に見守られ、周囲の人もそれなりに温かい目で二郎を見ているのがわかる描写が最初からチラホラと出ていたので「アンタはなんでそんなにひねくれちゃったの?」と二郎にひと言申し上げたい感もあるのですが、行動範囲を広げるとともに、だんだんと人&犬に心を開いていく二郎の姿には素直に感動です。
それにしても人って、こんな大掛かりな事をしたりされたりしないと変われないものなんでしょうか。
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by hiro-iti | 2009-07-20 23:36 |

オレンジの季節

鯨 統一郎 / 角川書店

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立花薫がプロポーズをした相手は上司の戎怜華。
怜華の返事はyesではあったものの、結婚するには条件があった。
それは薫が戎家に入り、専業主夫をしろというものだ。
悩みつつも結局、専業主夫となった薫。
保守的な義父を筆頭に、呆けかけている祖母や反発的な義弟など障害はあったものの、主夫としてのやりがいを感じ始めていた薫だったのだが・・・。


専業主夫としての生活。
悪戦苦闘しながらも、なんとか家事をこなしていく男の姿を描くファミリードラマ・・・・なんです(最初は)。
読み手のこちら側としてはそういうつもりで、もちろん読んでました。

義父から「戎家に入る気なら、まずは上手いものを作ってみろ!」とテストまがいなことをされたり、姉の結婚相手に嫉妬している気配の義弟からは疎んじられたり、反対に、義妹には「おにいちゃん(はぁと)」なんて懐かれてみたり、はたまた、売れない女優をしている義姉には「役をとるためよ!!」とよく意味のわからない理由で誘惑されてみたり・・・、「何コレ?」と思わず首を傾げたくなる展開。
おまけに、たいした家事の描写はないのに、「家事って大変だけど主夫もやりがいのある仕事だ!!」と言い切る薫。

「どうやって結末をむかえるつもりなんだろう・・・、家族笑って大団円ってのは勘弁してくれ」と思いつつページをめくっていたら、待ってました凄まじい結末が。
これは予測できません。
思わず「何じゃこりゃ~!!」と夜空に咆哮してしまう事うけあいです。(なぜ夜空?)
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by hiro-iti | 2009-06-14 18:08 |

聖女の救済

東野 圭吾 / 文藝春秋

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IT起業家・真柴義孝が毒殺された。
刑事の内海薫は、妻の綾音に不審な点がある事を感じ取るが彼女にはアリバイがある。
さらに、上司の草薙刑事が綾音に対して好意を持ち始めている様子。
内海の意見に対して、ことごとく反対意見をぶつけてくる草薙。
彼にはこの事件に対して冷静な判断を下せないのではないかとの危惧を感じた内海は、『ガリレオ』こと湯川に協力を申し出るのだが・・・。


ちょっと、時期をはずした感がありますがやっと読みました『探偵ガリレオ』シリーズの長編2作目。
だって図書館に予約をしたら半年以上も待たされたんだもん・・・・(←買え)

最初に『探偵ガリレオ』を読んだ時はドラマも映画もやってなかったので、自分で勝手に登場人物の姿を想像しながら読んだものだったけど、今はどうしても 福山=ガリレオ としか思えない。
今回は内海薫なる刑事(柴崎)も出てくるので尚更です。
ドラマは大して好きでもなかったのですが(でも、毎週見てた・・・)。

ミステリーはあんまり話の内容を書いちゃうといけないと思うのですが、犯人は綾音です。
・・・えぇ!?いきなりネタバレしてるし!!??
いや、本では最初からそういう前提で書かれてるので未読の方も大丈夫です。(多分)
本題は殺害のトリックの方ですから。

でも、綾音が義孝の殺害を決意してから、それにいたるまでの彼女の生活がグッとくるというか、怖いというか、辛抱強いなというか・・・あ、ちょっとネタバレだ。
元凶は義孝の「女は俺の子供を作るためだけにある」的な考えであり、もちろんそれ以外にも様々な事があったものの、こんなやり方で義孝を殺す綾音の行動は理解できないです。
ぶち切れて思わず殺っちゃった、って事ならわからないでもないんですが。
・・・・これ以上書くとさらにネタバレになってしまいそうなのでやめよう。

でもね、義孝みたいな男は、いざ子供ができても育児なんか絶対手伝わなさそうな気がする・・・。
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by hiro-iti | 2009-06-07 12:51 |

土井徹先生の診療事件簿

五十嵐 貴久 / 幻冬舎

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不況の波をもろにかぶってしまった就職難にあえぐ女子大生・立花令子は、母の「公務員になりなさい」との勧めにアッサリのり、国家公務員Ⅰ種試験を受けた。
それなりに出来がよかった令子は試験に受かったものの、警察庁に入庁してしまう。
どうやら、殉職した令子の父がその世界ではかなり有名だったらしく、「立花警視正の娘は他の省庁には渡せない」と上の力が働いたらしい。
警部補となって配属された南武蔵署でも令子は父のおかげで賓客扱い、つまりは何もする事がない。
暇をもてあます令子は、ある事件がきっかけで獣医の土井徹先生とその孫娘・桃子と出会う。
土井先生と仲良くなった令子は、管内で起こった事件(動物がらみ)をいっしょに解決していく事に。


ドリトル先生のような土井先生の知恵を拝借して、事件を解決するミステリー。
と書いておりながらドリトル先生は読んだ記憶はあるものの、話の内容はまったく覚えていない私。
それはともかく、軽い感じのミステリーでスラスラ読めて面白い。
ドラマ化なんてのも良いのかも。
令子にはアイドルを配し(長澤とか綾瀬とか)、あと動物と子供がくれば結構視聴率とれるかも!?
まぁ、別に私は現実にそうなっても見ないでしょうけど・・・って何が言いたいのかよくわからん。

あ、本はかなり面白かった事は、もう一回付け加えておきます。
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by hiro-iti | 2009-05-31 13:14 |

人は、永遠に輝く星にはなれない

山田 宗樹 / 小学館

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総合病院の医療ソーシャルワーカーとして働く猪口千夏は、看護師よりある老人の対応を依頼される。
病院で2週間前に亡くなった妹を、死んだ後も見舞いに来てしまうというその老人・西原寛治は一人で暮らしており、生活の中で会話を交わす相手は市の配食サービスの配達を担当している職員だけといった単調な生活をおくっていた。
ある日、その単調な生活を乱す出来事が重なった事がきっかけで、錯乱状態に陥り病院に運ばれてきた西原。
症状はすぐに治まったものの「早く、死にたいよ」と呟く西原に猪口は、このままでは鬱病を発症し本当に自殺をしてしまうのではと危惧を抱く。
西原に何をしてあげればよいか考えた猪口は、彼が面談の際に戦時中の話を人が変わったように話すのを思い出し・・・。


読んでいて、正直こっちが鬱になりそうな感じの本なんですが・・・。
タイトルからして『人は、永遠に輝く星にはなれない』ですから。
本の1/3ほども割かれて書かれている、西原の生活はものすごくリアルで、怖い。
その怖いの意味は、おそらくこれは現実にこういう生活をしている老人がかなりの数でいるんだろうなというのと、何か自分もこうなりそうな確率がかなり高そうということです。
現に、自分の父親が同じような生活してるし・・・。

結末に関しては、読んだ人それぞれに感じ方が違うでしょうが、自分は・・・言わないでおきましょう。
とりあえず、父にはやさしく接する事にします。
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by hiro-iti | 2009-05-31 13:09 |

レインツリーの国

有川 浩 / 新潮社

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伸行がひとみを知ったのは、彼女が運営しているブログ「レインツリーの国」に、伸行が十年来、心に引っかかっていた本の感想が書かれていた事だった。
その本を伸行が読んだのは中学生の時。
「フェアリーゲーム」というそのライトノベルのあまりにも現実的な結末に、当時の伸行には受け入れられず、今でもちょっとしたトラウマになっている。
違った視点で結末を綴るひとみに興味を持った伸行は、メールでひとみと意見を交換するようになり、親しくなった二人は実際に会うことになる。
伸行の前に現れたひとみは普通の女性だったが、どこかちぐはぐな感じでメールで話していた時のようには、うまく会話が続かない。
挙句の果てには、ひとみが伸行の常識では考えられない行動をとり、思わず怒鳴りつけてしまう伸行。
何も言い返さずに涙ぐむひとみ、だが、その時になって伸行は気づいた。
彼女の耳に掛けられた補聴器を・・・。


何となく、自分がなぜこの作者の本が好きなのかわかりました。
本を読み終わった後も、心地よい余韻が残るのです。
物語が終わった後も登場人物たちが変わらずに幸せに生活しているだろうとわかるんです。

空から妙なものが落ちてきても、海の中から変な生き物が襲ってきても、人間が急に塩の塊になっても、本のために命をかけて闘っても、そんな非日常的な出来事で繋がった人間関係は物語が終わっても壊れる事はなく続いていくのが想像できるのです。
「あの人たちは今頃どうしてるのかな」なんて事も、読み終わったしばらく後に思わせる終わり方が秀逸です。
まぁ、今回の本はそんな非日常的な事は一切出てきませんが。
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by hiro-iti | 2009-05-17 23:07 |

年下の男の子

五十嵐 貴久 / 実業之日本社

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三十七歳、独身、一人暮らし。
ついにマンションまで購入してしまい、独身街道まっしぐらのOL晶子。
結婚願望は捨ててはいないものの、現実はかなり厳しい。
そんな時に現れた児島という男。
晶子に好意を持っているらしいのだが、彼は23歳。
14歳も年下の男の子との恋などありえないと考えつつも晶子は・・・・。



まぁ、アレです。
私には無理です、14歳も年下の子は。
・・・それはともかく、
主人公の晶子とまったく同じ歳の私は、この本を読んでいて「まぁ、羨ましい事で、チッ(舌打ち)」っていうのと、「やっぱりこれはフィクション(ファンタジー)だよなぁ」としか思えませんでした。
フィクションですけど。
そういう歳の差カップルもいるに違いない筈なんですが、やっぱり現実的にはかなり厳しいのではないかと。
まず、話なんて合わないし、世間体も気にするだろうし、将来の事も考えるだろうし、若い頃の好き嫌いはあてにならないし、などなど。
ただ付き合う分にはいいんでしょうけど、結婚なんてものも絡んでくると、さらにハードルは高くなる。
本の中で晶子もそこら辺の事を重々承知していて、歳の差に関して小さな事から大きな事まで思い悩む様子がリアルではあります。
晶子サイドの心情はかなり同調できるのではありますが(歳のせいか?)、ただ、対する児島サイドが・・・。
こんな奴、いないでしょ。
いて欲しくはあるけど。
やっぱりフィクションだ。

ちなみに私は児島よりも断然、秋山部長です。
・・・読めばわかります。
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by hiro-iti | 2009-05-06 22:23 |