ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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カテゴリ:本( 119 )

オロロ畑でつかまえて

著者:荻原浩

人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。
超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!
ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。
この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる。


同作者が原作の「明日の記憶」が映画化されたおかげか、本屋へ足を運ぶと「荻原浩フェア」なるものが開催され、様々な本が平積みになっていたりする。
原作付きの映画化に関しては、イメージを崩される事が多くてあまり歓迎はしていないけれど、副産物として原作者の過去の他作品が手に入りやすくなるのは嬉しい。
最近好きになった作者であるので、何冊か購入してみた。
その中でまず読んだのがこの「オロロ畑でつかまえて」だ。

とにかく面白い本だった。
「面白い」というのはストーリーはもちろんの事、読みながらおもわず爆笑してしまうという事だ。
小説を読んで思わず泣いてしまうというのは結構あったけれど、読みながら笑ってしまうというのは今まであまり経験がなかったので新鮮だった。
でも、ニヤニヤしながら本を読んでいる姿は、傍から見たらかなり不気味だ。
この本を読んでいる時に周りに人がいなくてよかった。

オロロ畑でつかまえて
荻原 浩 / 集英社
ISBN : 4087473732
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by hiro-iti | 2006-05-20 23:25 |

レキオス

著者:池上永一

舞台は西暦2000年の沖縄。
米軍から返還された天久開放地の荒野に巨大な魔方陣が出現する。
1000年の時を経て蘇る伝説の地霊「レキオス」を巡り、米軍、学者、女子高生、ユタたちが入り乱れ、ついにその封印は解かれてしまう。
大いなる魔法が完成するとき、人々はそこに何をみるのか?


現実と魔法という空想世界が融合した壮大な物語、なハズだったのに・・・。
記憶に残っているのは変態学者サマンサ・オルレンショーの事だけ。
かなり個性的なキャラクターだ。
「アメリカの頭脳」と言われるほどの天才でありながらコスプレマニアで露出狂で言動はエロ。
この人が出てくるシーンが強烈過ぎて(ものすごく面白いんだけど)、他のところの印象が薄い。
結局「レキオス」って何の事だったのだろう・・・「(´へ`)

レキオス
池上 永一 / 角川書店
ISBN : 4043647026
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by hiro-iti | 2006-05-20 19:44 |

セカンド・サイト

著者:中野順一

キャバクラのボーイ・タクトは、店のナンバーワン・エリカにストーカー退治を依頼され、また気になる存在の新人キャスト・花梨に他人の近未来を知る不思議な力が備わっているのを知る。
エリカが何者かに殺害され、独自の調査を進めるタクトは、「夢丸」と呼ばれるドラッグの存在を知る。


私、恥ずかしながらこの歳になるまでキャバクラのような女の人が脇について酒を飲む、みたいなお店に行ったことないんです。
仕事で接待をするとかされるとかいうのもなかったし、好んで行くような場所でもなかったので。
そもそも酒はあんまり飲めないし、飲んだら飲んだであんまりハジケルようなタイプではなく、どんどん精神的に沈んでいくような(おまけにそのどよ~んとした空気を周囲に振りまく)、酒飲み達にもっとも嫌煙されるであろうタイプなのです。
ある程度、気心の知れている人と飲む時は大丈夫なんですが、初対面の人と飲む時はその傾向が顕著に現れるので知らないお姉ちゃんがつくお店は楽しめるはずもありません。

あぁ、また本とはまったく関係のない自分の話をしてしまった。
でもね、そんなキャバクラ知らずの自分でも楽しめる本だったのです。
中国マフィアやドラッグ絡みのミステリーでサクサクと読めました。
ただ、ストーリーの中心人物である花梨に「他人の近未来を知る不思議な力」があるという設定はいらなかったのではないのかと・・・。
そんなに目立ってなかったし、そんな超能力的なものがなくても話が進んでいったような気がするのですが・・・どうでしょう?
そういう日常とは外れた設定を出すのであれば、その設定をもう少し話のメインに持ってきて、その力を余すことなく使い切って暴れまくるみたいな話の方がよかったんではないかなぁ。
そういう話の方が自分好みなだけなんですが。

セカンド・サイト
中野 順一 / 文藝春秋
ISBN : 4167679817
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by hiro-iti | 2006-05-20 19:11 |

20年目のクラスメート

著者:メアリ・H・クラーク
訳:宇佐川晶子


ベストセラー作家のジーニーは、20年ぶりのクラス会出席のため故郷を訪れた。
そして知った衝撃の事実──いつも一緒にランチを囲んだ7人の級友のうち、すでに5人が亡くなったという。
稀に見る不運なクラスなのか、それとも別の魔の手が?
一番仲の良いローラも姿を消し、不気味な脅迫状が届く……。

この作家の書くミステリーは本当に面白い。
その面白さは2時間のサスペンスドラマを見ているような感じ、と思っていただければ間違いない。
土ワイあたりであれば、主役は片平なぎさが演じるだろう。萬田久子でも良いかも。
主役を助けるベテラン刑事は左とん平。
クラス会に集まった同級生の中の一人として船越英一郎は外せない。
山村紅葉は・・・脇役として適当に配置しておこう。
そんなキャスティングが自然に浮かんでくるほどのベタベタなサスペンス。
適度なスリルあり、お約束なロマンスありと読んでいる間は楽しい。
読み出したら止められない、まさにページターナー。
ただ、その楽しさは読んでいる間だけのもので、しばらくするとどんな話だったのか忘れてしまうのですが・・・。

20年目のクラスメート
メアリ・ヒギンズ クラーク Mary Higgins Clark 宇佐川 晶子 / 新潮社
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by hiro-iti | 2006-05-17 22:46 |
著者:ビル・ソーンズ&リッチ・ソーンズ
訳:丸山聡美


ギロチンで切り落とされた頭は、地面に落ちたことを感じるの?ホタルと同じ食事を摂っていたら人間もホタルみたいに光るようになるの?生き埋めにされたら、どれだけ生きていられるだろう?どうしてみんなキスするの?
何とも苦笑してしまうような素朴な疑問から、思いもよらないギョッとするような質問まで、名高い専門家たちが総力を挙げてお答えします!あなたの頭の中のもやもやをすっきり晴らす爽快コラム集。


この本の前に読んだ本がかなり考えさせるられる本でしたので、同じ現実でも前向きなモノ(?)をということで手に取ったこの本。
「男でも妊娠できますか?」なんて魅力的な話だわ。
ワクワクして読んでみたら「受精卵を体内に移植し、出産予定日まで育てるだけなら可能かもしれないよ」ということでしたが。
でも、なんだか夢のある話じゃないですか。(そうか?)
でも私は子供は欲しくないですけど。

その他にも、かなり突拍子もない質問にちゃんとした学者や博士が答えてくれています。
なかなかに面白い一冊です。
暇つぶしにどうぞ。

ぼくたちも妊娠できますか?―平凡な日常を驚きの世界に変えるQ&A
ビル ソーンズ リッチ ソーンズ Bill Sones Rich Sones 丸山 聡美 / 早川書房
ISBN : 4150503079
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by hiro-iti | 2006-05-07 22:41 |
著者:福田慶一郎

2000年6月に受けたエイズ検査により陽性だと告げられ、それから抗HIV治療を受ける生活を続けている著者本人によるノンフィクション。
第5回新風舎文庫大賞ドキュメンタリー部門賞受賞作。


ノンフィクションは苦手です。
特に闘病記モノは。
読んでいると、とっても辛くなるので。
いや、本当に辛いのは本を書いている人であって、それをただ読んでいるだけの自分は辛いことなど何もない筈なのですが。
フィクションなら良いのです。
どんなに辛い事や悲しい事があってもそれは「作り物」だと思えるので。
ノンフィクションは、どんなに現実離れした事や自分の生活には関係ない事であっても、それは「現実」であって、自分の身に同じ事が降りかかる確率もゼロではないという考えに囚われてしまう。
今まで考えたことのない(考えたくもない)現実の新たな一面を見せつけられるのは辛い。
なんて、結局は自分がただの臆病者だということなのですが。

ただ、そんな事も言っていられないのが「エイズ」という病気。
HIV感染者はどんどん増えていく一方だし、もっとも身近に感じてしまう病気なのだが、今まではそれほど詳しくはなかった。
自分は幸いHIVキャリアではないし、今までも気をつけていたからこれからも大丈夫だろう、という根拠のない言い訳をしてなるべく目を背けていたからだ。
致死率や罹患率でいったら癌の方がよっぽど高い病気に違いない筈なのに、エイズはそれよりも怖い。
なぜこんなにも自分は怖れているのか?
結局はエイズに対しての知識が少ないためなのだ。
得体の知れないものはやっぱり怖い。
その怖さに対抗するのは知ることが一番なのだ。

で、手に取ったのがこの本。
「自分がエイズじゃないか」と怯えていた頃から、エイズ検査を受け陽性である事を告げられ、治療のために訪れた病院でのエピソード、そして現在に至るまでの抗HIV療法の事が書かれている。
著者と同じ立場に立ったつもりで本を読んでみる。
正直にいうと、読み終わった3日間ぐらいは精神的に引きずった。
でも読んで良かった。
何も知らないで怖がっているよりは全然良いに違いない、と今は素直に思えるのだから。

ゴッド・ブレス・ミー―エイズとの闘い
福田 慶一郎 / 新風舎
ISBN : 4797489278
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by hiro-iti | 2006-05-07 22:06 |

永遠の出口

著者:森絵都

紀子は<永遠>という言葉にめっぽう弱い子供だった。
たまたま見逃してしまったテレビ番組を「あの日の放送はものすごく面白かったのに見逃しちゃうなんて、紀ちゃんは<永遠>にあの日の放送は見ることはできないんだね」などど人に言われようものなら、取り返しのつかない事をしでかしたような気分に陥り、二度見ることができないそのテレビ番組に思いをはせ、涙するような子供だった。
そんな世界で起こる全ての出来事をあまさず見ておきたいという衝動。
だが、世界はとてつもなく広く、そんな取りこぼしてしまう出来事があまりにも多すぎる事を友達の誕生会をめぐる小さな事件で紀子は思い知らされる。  (永遠の出口)

七十年代、八十年代に育った普通の少女、紀子の小学三年生から高校三年生までの九年間を描く連作集。


なんとも懐かしさが漂う作品。
描かれている年代がほとんど自分が育った年代と一緒だった事もある。
基本的に「女子サイド」の話なのだが、友達の誕生会の話や、普段は親としかいけない街に子供達だけで電車に乗って遊びに行く事がかなりの大掛かりのイベントだった事や、思春期の時期に自分では結構真剣に悩んでいたバカバカしい事柄などなど、自分と被るエピソードが満載でした。
この歳になって当時の事を振り返ると、なんてバカバカしい事に思い悩んだり、変な事にムキになっていたんだろうと不思議な気持ちになる。
まぁ、そんな時代もあったから今の自分があるわけだし、と変に達観してしまう本でした。
30歳後半の人達にオススメの本です。
「紀子」のような人物はクラスに必ずいたはずです。
もしくは紀子=自分だったかもしれません。

永遠の出口
森 絵都 / 集英社
ISBN : 4087460118
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by hiro-iti | 2006-05-01 02:21 |

チョコレートコスモス

著者:恩田陸

舞台の上の、暗がりの向こう。
そこには何かが隠されている。
どこまで行けばいいのか?
どこまで行けるのか?

大学の演劇サークルに所属している梶山巽は、いつものように公園で演技のトレーニングをしていた所、ひとりの少女が真剣に自分達の演技を見ている事に気がついた。
その少女、佐々木飛鳥は巽が所属する演劇サークルに入りたいという。
演技をするのは初めてという飛鳥だったが、実際に演じさせてみると驚異的な身体能力と違う人物になりきるという天才的な演技で巽たちを驚かせる。
演劇サークルに入る事を許された飛鳥は初舞台でも驚くべき演技を披露し、その演技がある舞台演出家の目に留まる。
来年杮落としする、新国際劇場のオープニング作品として企画されている、女優二人による芝居のオーディションを受けてみるように勧められる飛鳥だったが、その芝居には芸能一家に育ったサラブレット女優・東響子も並々ならぬ関心を寄せていた。


最近の同作者の作品は、正直「う~ん」な感じのものが多かったのですがこの作品は結構楽しめた。

物語の設定は「ガラスの仮面」そのまんま。

マヤ=飛鳥=天性の演劇の才能を持つ
亜弓=響子=芸能一家に育ち、演技の才能は経験と努力によるもの

といった感じ。

オーディションのシーンもガラスの仮面におけるあの、手に汗握る演技合戦が活字になったものと考えて差し支えないと思う。
作者はよほどガラスの仮面を意識してこの作品を書いたのではないのかな、と思わせる箇所もちらほらと出てくる。
本当に色々なジャンルの作品を書く人だ。

ただ、正直な事を言ってしまうと本家を超えてはいない。
ガラスの仮面をノベライズしてみました、みたいな感覚が終始つきまとう。

「飛鳥はやっと演劇界の入り口に立ったばかり」みたいな終わり方だったので、もしこの続きが書かれることがあるのならば、本家とは違った方向での展開を期待したい、ってなんだかとてつもなく偉そうな事書いてるわ。

チョコレートコスモス
恩田 陸 / 毎日新聞社
ISBN : 462010700X
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by hiro-iti | 2006-04-30 18:58 |

万引き天女

著者:ねじめ正一

門花民芸店・店主の門花靖雄は急増している万引きに頭を悩ませていた。
万引きされる品物はうちわや器などの小物から、石の道祖神や傘立などみさかいがない。
靖雄が万引き犯としてもっとも怪しいとにらんでいたのが、いつも帽子をかぶり、大きな紙袋を持参してくる、ある女性だった。
万引き行為の現場を押さえてやろうと、その女性が来店するたび目を光らせる靖雄だったが、いつしかその女性に対して恋心を抱いていく事になり・・・。


・・・やられた。
それがこの本を読んだ感想。
商店街に急増する万引き犯は誰なのか、帽子をかぶった怪しい女性の正体は何なのか、万引きのみならず門花民芸店の収益を盗む者は誰なのかなどなど、盛り上げるだけ、盛り上げといて明確な回答もなく物語りは終わってしまう。
この後は読者それぞれが想像してね、という事かもしれないのだけれど、想像するにもヒントが少なすぎてさっぱりわからない。
途中まで、それこそ最後の1ページまではのめり込んで読んでしまうほど面白い本であっただけに、この結末は猛烈な肩透かし。
缶入りのクッキーの詰め合わせを開けてみたら、ものすごい上げ底で大した量が入っていなかったみたいなショック。(わかりにくい例え)

万引き天女
ねじめ 正一 / 集英社
ISBN : 408746024X
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by hiro-iti | 2006-04-30 18:02 |
著者:松岡圭祐

元航空自衛官にして女性初のF15パイロット、現在は臨床心理士となり、その動体視力と観察眼、心理学の知識を併せ持ち<千里眼>の異名をとるほどにすべてを見抜く、戦後最強のヒロインが最大級の謎に挑む。
耐震強度偽装をめぐる事件に仕掛けられた罠を看破したとき、美由紀は新たな陰謀の種を発見した。
そこにはかつて、日本を震撼させた天才女テロリスト友里佐知子の後継者、鬼芭阿諛子の壮絶な復讐が待っていた。


いつもながらに岬美由紀は超人的な活躍をする。
その様は女版「007」だ。
序盤に「日本沈没」というイキナリな展開に銃撃戦。
そういえば「007」シリーズも映画の最初は必ず派手なアクションシーンをもってくるよね。
おまけに今回はまるでボンドカーのような車まで登場してしまう。

「千里眼」シリーズもすでに12作目(文庫版)ともなれば、かなりマンネリ化しそうなもの。
展開にも無理がある感が否めない。
それでも毎回、読み始めると止める事ができない面白さがこのシリーズにはあるのです。

岬美由紀という人物は、銃撃戦になっても弾ひとつ当たらず(おまけに素手で立ち向かう)、銃火器の取扱いにたけ、必要とあらば戦闘機や戦車を操る(しかもジャンボ機までも操縦OK)ほどの高い戦闘能力をもちながらも、弱き者の立場に立って物事を考え、助けようとするやさしさを併せ持つ。
ちなみに音楽の才能もあったりしてバイオリンもプロ並みの腕前であったりもする。
普通の人間とはもはや思えないのだが、「自分の色恋沙汰には弱い」などの人間的な側面も垣間見せる事によって不思議と親近感がわいてくる絶妙な人物設定が開いた口が塞がらないほど(良い意味で)面白い。

「千里眼」シリーズのようなハリウッド的な娯楽小説はあんまり日本にはあまりないような気がする。
読んでいると、かなりのご都合主義が鼻につく事もあるけれど、この際この路線を突き進んで欲しいものです。
ただ、本の表紙に「釈由美子」の写真を使うのはやめて欲しかった。
なんでも彼女が「岬美由紀」のイメージ第一位に選ばれたそうで。
たしかに釈由美子が岬美由紀のイメージに確かにあっているかもしれないし、多くの人がそれに同意したのも分かる。
でも、表紙に彼女の写真を使う事はないんじゃない?
映画化になるわけでもないのに(そういう話が進んでいるかもしれないけど)、わざわざ小説の表紙にタレントを起用して「釈=岬美由紀」のイメージを押し付けるような事はして欲しくなかった。
やっと水野美紀が主演した、おそろしくつまらない映画「千里眼」のイメージから脱却してきた所なのに・・・。

千里眼背徳のシンデレラ (上)
松岡 圭祐 / 小学館
ISBN : 409408102X



千里眼背徳のシンデレラ (下)
松岡 圭祐 / 小学館
ISBN : 4094081038
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by hiro-iti | 2006-04-29 22:39 |