ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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桜宵

著者:北森鴻

一度たずねてみてください。わたしがあなたに贈る最後のプレゼントを用意しておきました―。
そう綴られた亡き妻の手紙だけを頼りに、ビアバー“香菜里屋”にやってきた神崎。
マスター・工藤が語った、妻がプレゼントに込めた意味とは…。
客から持ちかけられた謎の数々を解明かす連作短編集の第2弾。



本当に完成度が高い短編集だと思いました。
短編だと起承転結のうち、『結』の部分を曖昧にして「後は読者の想像にゆだねますよ」的
な終わり方をするお話って多いじゃないですか。
全てを語らない方がいい場合ももちろんあるのでしょうし、長編ならともかく、短編で最初から最後までを全て語っていたら、ただの説明文になっちゃうでしょって事もわかるのですが、自分はそういうのはあまり好みじゃない。
やっぱり何か事件が起こったら、その原因なり、結果なりをきちんと説明して欲しいと思うのです。
その点、この人の書く短編は(この本を含めて2冊しか読んではいないのですけど・・・)謎はきっちりと明かし、読者の想像にゆだねた方がいい箇所はあえて濁して書いている。
そのバランスが本当に絶妙で素晴らしい。

・・・・ってココまで書いて思ったのですが、自分ったらなんで、こんな上から物を言っているような書き方をしているんだろう?
「アンタ何様なのよ」って感じですね、すみません。
要するに、すっごく面白かった一冊だったって事です。
オススメです。

桜宵
北森 鴻 / / 講談社
ISBN : 4062753693
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by hiro-iti | 2007-02-27 20:59 |

千里眼 新シリーズ

著者:松岡圭祐

トラウマは本当に人の人生を左右するのか。
両親との辛い別れの思い出を胸に秘め航空機爆破計画に立ち向かう岬美由紀。
その心の声が初めて描かれる。 『千里眼 The Start』



出版社を変え、設定も何箇所か変えた上で再スタートした『千里眼シリーズ』。
何か『大人の事情』があったのか、と勘ぐりたくなるものの実際はどうなのだろう?
新シリーズを開始するとともに設定が何箇所か変更されたものの、実際はそれほど大きな変化には思えない(美由紀の能力を現実の精神医学に則したものに変えたようだ)。
そもそも、旧シリーズでもちょくちょくと細かい設定を変えていたし、新シリーズでも過去の事件は実際にあったものとして書かれているので(宿敵・友里佐知子の闘いも過去の事として出てくる)、何がどう新しいのか、旧シリーズの続きとして読んでいいものなのかどうか、と少し混乱してしまう。
おそらく、今回の新・旧シリーズの扱いとしては『007の主役俳優の交代』みたいなものなのかも。
名前やおおまかな設定はそのままで、ボンド役を違う俳優が演じ、シリーズのマンネリ化を防ぐ。
実際、主役女優が交代になった岬美由紀は、過去の岬に負けず劣らずの大活躍ぶり。
少しマンネリ化してきたシリーズではあったので、この変化は歓迎すべき事なのかもしれない。

それにしても、旧シリーズの最後で「岬美由紀のイメージぴったり」として扱われ、本の表紙に写真まで使われた釈由美子の立場はいったい・・・。


千里眼The Start
松岡 圭祐 / / 角川書店
ISBN : 4043836023




千里眼ファントム・クォーター
松岡 圭祐 / / 角川書店
ISBN : 4043836031




千里眼の水晶体
松岡 圭祐 / / 角川書店
ISBN : 404383604X
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by hiro-iti | 2007-02-25 13:15 |
著者:歌野晶午

東京近郊で連続する誘拐殺人事件。
誘拐された子供はみな、身代金の受け渡しの前に銃で殺害されており、その残虐な手口で世間を騒がせていた。
そんな中、富樫修は小学六年生の息子・雄介の部屋から被害者の父親の名刺を発見してしまう。
息子が誘拐事件に関わりを持っているのではないか?
恐るべき疑惑はやがて確信へと変わり…。



もし、自分の家族が凶悪事件に関わっているとしたら・・・。
無関係である事を信じたい気持ちはあるものの、状況証拠は限りなく黒。
「あの人はそんな事をするような人じゃありません!!」と声を上げても、心の中では「もしかしたら・・・」と疑念は消える事はない。
そして、いつのまにか家族の無実を信じる事よりも、自分の保身を第一に考え「被害者への謝罪」の方法や、「社会からの弾圧」から逃げる方法を考えている自分に気づく。
このように作中で富樫修が辿る自分の息子への気持ちの変化は、かなり共感できてしまう。
家族であっても、無条件に人を信じる事はかなり難しい。
それとも、それだけの信頼関係を築く事の方が難しいのかも。

ミステリとしてのこの本は、あまり好きではない。
それというのも、何回か出てくる読者騙しの箇所が自分が一番嫌いなパターンだったから。
そして、驚愕の結末・・・。
驚愕というよりは、開いた口が塞がらないといった感じで、「ここまで読んで最後がコレか・・・。」が正直な感想。
・・・あくまでも、自分の好みではなかったという事なのですが。


世界の終わり、あるいは始まり
歌野 晶午 / / 角川書店
ISBN : 4043595042
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by hiro-iti | 2007-02-25 11:59 |

メロス・レヴェル

著者:黒武洋

国家主導で開催される、世にも恐ろしいサバイバル・ゲーム。
勝者には名誉と金、敗者には壮絶なペナルティ。棄権不可。
全国民が固唾を呑んで見守る中、政府に選出された十組のペアは、自らを賭して闘った―。


『メロス・レヴェル』という国家主導で行われるサバイバル・ゲーム。
人と人との信頼関係を試す『走れメロス』を元に作られたそのゲームは、かなり壮絶なものだ。
ゲームに参加したペアの内、一人はメロスとなり、与えられたゲームをこなす。
そのゲームの勝者となれば次のゲームに参加する資格を獲得し、最終的に優勝者となれば莫大な賞金と一生の保障を得ることができる。
だが、ペアのもう一人はセリヌンティウスとなり、ゲームに参加するメロスを見守る事しかできない。
しかも、メロスがゲームを敗退、もしくは棄権した場合のペナルティはメロス自身ではなく、セリヌンティウスの視覚や聴覚、味覚、手もしくは足の機能のどれかを一生奪われてしまい、決勝戦においては命までも奪われるという悲惨なもの。

なんかこういう感じのリアリティ・ショーってありそうですよね。
もちろん、こんなに酷いペナルティを課すことはないのだけれど。
人と人との信頼関係を試すゲームとはいえ、参加者の多くは賞金目当て。
一方、観客の方は参加者の信頼関係に感動するわけではなく、信頼関係が壊れた時に喝采をあげる。
下世話な自分は、そんな観客目線でこの本を読んでいたわけですが。

参加者達は親子や恋人同士、夫婦、友人、飼い主とペットといった人達なんですが、そのなかで(ちょっとネタバレです)、友情をかけて『メロス・レヴェル』に参加した男性二人組の行く末に自分は少し涙してしまいました。
なんとなく察しはつくでしょうけど、長い間友人として接していたけれども実は・・・・、ってやつです。これには身につまされました・・・。

なかなかに面白い本ではあったのですが、最初の方は結構、読みづらい所がありました。
それというのも、最初は参加者の親子の視点で物語が語られていたので「彼らが主役なのかな」と思っていたら、唐突にゲームの司会者の目線に変わり、参加者の行動を語り始めたり、はたまた、他の参加者の一人称になったりと、いったいどのキャラクターに感情移入してよいのかまったくわからない。
「なんでこんな書き方をするのかな」と思いつつ読み進めて行くと、『どの参加者が優勝するのか』というのを最後までわからないように、わざとそういう書き方をしていた事に気づくのですが、それに気づくまでの過程は正直、少しかったるかったです。

メロス・レヴェル
黒武 洋 / / 幻冬舎
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by hiro-iti | 2007-02-19 00:39 |

火の粉

著者:雫井脩介

「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」
元裁判官・梶間勲の隣家に、二年前に無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。
愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い・・・・・・。
武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴む。
しかし梶間家の周辺で次々と不可解な事件が起こり・・・・・・。



武内が梶間家の隣に引っ越してきた時から始まった不可解な事件は、やはり武内の仕業なのか。
それとも、はじめから胡散臭い目で武内を見ていた梶間家の嫁・雪見の妄想なのか。
もしくは、過去の殺人事件の犯人が武内であると信じている被害者の親族が、無罪放免された武内を陥れるために起こしている行動なのか。

にこやかに近づいてくる武内という男の底知れない不気味さや、ちょっとした行き違いであっけなく崩壊していく梶間家の様子がとにかく怖い。
「キャー」っていう怖さでなく、「ゾゾゾー」って感じの怖さなのです。
・・・かえって分かりにくいですか?

とにかく、先が読めない展開、テンポよく進んでいくストーリー運びが素晴らしい一冊で、最後まで一気に読んでしまいました。


火の粉
雫井 脩介 / / 幻冬舎
ISBN : 434440551X
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by hiro-iti | 2007-02-18 23:00 |

ひとのぬくもり

日常生活で他人の体を触ったり、自分の体を触られたりってほとんどないですよね。
あ、痴漢とかそういう事ではないです。
彼氏とかいれば、手をつないだり、抱き合ったり、キスしたり、それこそ、やったりやられたりなんて事で他人の体に触れたり、自分の体に触れられたりといった機会は日常茶飯事な事だと思うのですが、彼氏が居ない場合はどうでしょう?(それは私のこと)

生粋の日本人な自分は欧米人のように挨拶代わりにハグなんかしないし、まったくもって無名な一般人である自分に「握手してください」なんて求めてくる奇特な人は居るわけもない。
あやまって人にぶつかったり手が当たってしまったりなんて事はあるけれども、それはあくまでも事故であって自らの意思で触っているわけではないし、満員電車で見ず知らずの人に体を押し付けられるのも事故のようなもの。(故意にやっていたらそれはまさしく痴漢だ)

そんな、まったくもって、どうでもいい事を常日頃考えている自分は今日、ある事に気づいてしまった。
それは美容院で髪を洗ってもらっていた時の事
「あぁ、こいつめっちゃ自分の体に触ってるやんけ・・・(なぜかインチキ関西弁)」と。

いつも髪を切ってもらっている美容師の○○君は、ここ何年の間(=彼氏いない暦なのではっきりした年数は差し控えます)でおそらく、一番自分の体を触っている人間のはずだ。
毎回毎回、○○君は少しゴツイその手で自分の頭を弄り(『弄る』っていやらしい響きの言葉ね)、そして、シャンプーの泡がついてしまった耳にも触って洗い流したりもするのだ。
自分って耳を触られると一番弱いのです。(ってどうでもいいMy情報)

今まで何とも思っていなかった美容院でのシャンプーに、妙な興奮を覚えてしまう自分の『独り身レベル』はかなり危ない段階にきているに違いない。
ちょっと自分でも怖い、そしてすごく情けない。
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by hiro-iti | 2007-02-17 23:59 | 日常