『幼獣マメシバ』 柳雪花
2009年 07月 20日
35歳の芝二郎は筋金入りのニート。親の庇護の下でぬくぬくと生活をしていたが、ある日、父親が急死。
父が亡くなったといっても、これまでの生活が変わることはないだろうと思っていた二郎だったが、葬式の数日後、母親の鞠子が謎の失踪。代わりに残されたのは豆柴犬「一郎」だった。
面倒を見てくれていた母がいなくなり、さらに犬など飼った事のない二郎が途方にくれていると、一郎の首輪に母の失踪先のヒントらしきメモを発見する。
どうやら、突然の失踪は二郎を家の外に出そうとする母の策略だった。
周囲の人の助けを借りながら、ヒントを頼りに一郎といっしょに母を捜し歩く二郎であったが・・・。
ドラマもやっていた(そうらしい)し、映画にもなりました(そうらしい)。そのノベライズ本です。
どっちも未見の私がこの本を手にとったのは完全にジャケ買い(本の場合もジャケ買いっていうのかな?)です。
あー、柴犬の可愛さは強烈ですね。
猫派の私も、思わず犬派に鞍替えをしそうな可愛さです。まぁ、どっちも飼ったことはないのですが。
本の内容はというと「ご都合主義」全開で話が進んで行くのが、ちょっと気になる点ではあるものの中々に面白かったです。
あんなに優しい両親に見守られ、周囲の人もそれなりに温かい目で二郎を見ているのがわかる描写が最初からチラホラと出ていたので「アンタはなんでそんなにひねくれちゃったの?」と二郎にひと言申し上げたい感もあるのですが、行動範囲を広げるとともに、だんだんと人&犬に心を開いていく二郎の姿には素直に感動です。
それにしても人って、こんな大掛かりな事をしたりされたりしないと変われないものなんでしょうか。
by hiro-iti
| 2009-07-20 23:36
| 本