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ほとんど読書感想、たまに日記、まれに映画感想。


by hiro-iti
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ねじの回転

著者:恩田陸

人類は時間遡行装置の発明により、過去の歴史に介入し始めた。
悲劇的な歴史を変えてしまおうというのだ。
だが、歴史を大きく捻じ曲げる行為により人類は絶滅の危機を招き寄せる事となってしまう。
その悲惨な未来を回避するためにもう一度過去を修復し、歴史のやり直しを余儀なくされた人類。
その「やり直し」の歴史の中のひとつに1936年2月26日の日本の出来事。
「二・二六事件」があった。


「あの時、なんであんな事をしてしまったんだろう」
「あの時、こっちではなくてあっちを選んでおけばよかった」
といった事を生きている間に何回ぐらい、人は考えるのでしょう。
自分はそんな事ばっかり考えていて、今も「チーズケーキじゃなくてモンブランを食べればよかった」と昼食のデザートの事を考えているほど後ろ向きな人間です。
「モンブランもおいしそうだったけど、チーズケーキもそれなりによかったよね」と考えた方がよっぽど建設的だと思うのですが。
いや、むしろ「そんな時は両方食っとけ」ってケーキの話ではなく、「あの時、ああしておけばよかった」という妄想を満たしてくれるのがタイムトラベルもののSF小説。
くよくよと過ぎた事を考える自分にとって、このジャンルの小説は大好き。
ここ半年でも、同じように過去に戻って云々という何冊も読みました。

「ねじの回転」という本はそんなタイムトラベルもののSFです。
ただ、読んでいてよくわからない箇所がちらほらと。
なぜ歴史を繰り返さなくてはいけないのかとか、タイムトラベルの理論とか、タイムパラドックス的なつじつまあわせとか。
読んでいてもピンと来なかったんですよね。

「二・二六事件」と「タイムトラベルもの」というと、宮部みゆきの「蒲生邸事件」とどうしても比べてしまうけれども、自分が面白かったのは「蒲生邸事件」の方かな。

ねじの回転―February moment (上)
恩田 陸 / 集英社
ISBN : 4087478890



ねじの回転―February moment (下)
恩田 陸 / 集英社
ISBN : 4087478904
by hiro-iti | 2006-01-18 23:48 |